新型インフルエンザについての知識

                          由利本荘医師会感染症担当理事

由利組合総合病院 朝倉健一

 

マスコミで報道されているように、新型インフルエンザ出現の脅威が迫っています。国も県も対応策を決めていますが、実際に遭遇した場合の混乱は測りしれません。そこで、新型インフルエンザについて解説してみます。

1)新型インフルエンザと通常のインフルエンザは、どこが違うのですか。

今、東南アジアを中心に流行しているトリインフルエンザが、ヒトへのタイプに変わったときが、新型インフルエンザと呼ばれるものになります。したがって、今のインフルエンザとは全く顔つきが変わることになります。HN1型がもっとも可能性が高いとされています。

2)新型インフルエンザは、A型、B型のいずれに属しますか。

A型です。トリインフルエンザはすべてA型に属しますので、新型もA型になります。

3)症状に違いはありますか。

症状は、通常のインフルエンザと同様といわれていて、急な高熱と関節痛、全身倦怠感で始まり、咽頭痛と咳は遅れて出現すると思われます。ただし、下痢などの消化器症状が一緒に起こることも予想されます。ただし、トリインフルエンザに感染したヒトの場合重症になりやすく、呼吸器や消化器だけではなく全身がやられます。

4)今のインフルエンザワクチンは効きますか。

タイプが違うので、今のワクチンは効きません。ただし、ワクチンを打っておくと、症状が出たときに鑑別が容易になります。

5)タミフルは本当に効きますか。

理論的には効果が期待できます。発症後、48時間以内であれば、ウイルス増殖を止めることができるはずです。また、予防効果も期待できます。ただし、タミフルを使いすぎると、耐性化してしまう可能性があります。そうなると、全く効果は期待できません。また、リレンザという吸入薬も効果が期待できますが、タミフルと違って備蓄はされていません。

 

6)他に予防する方法はありますか。

通常のインフルエンザと同様に、外出時のマスク着用、うがい、手洗いをしてください。必要なとき以外は、人ごみや集会を避けることも効果があります。マスクだけでも相当な効果がありますので、是非、着用しましょう。

7)新型インフルエンザが発生したことはどうやってわかるのですか。

マスコミ報道に注目しましょう。国や県でも、発生状況を逐次、公開しています。インターネットでも知ることができます。基本的には、WHOが新型インフルエンザ発生の宣言をすることになっています。

8)新型インフルエンザへのワクチンはいつできますか。

新型インフルエンザのタイプが確定してからワクチン製造を始めますので、皆にゆきわたるまで半年かかると思われます。

9)なぜ、新型インフルエンザで死者が多く出るのですか。

今のタイプと全く違うので、抗体というものを誰も持っていません。したがって、激しい症状が出て呼吸不全、心不全や二次感染などで死亡することが予想されます。死亡率は10%前後と予想されていますが、それ以上増えることもありえます。

10)新型インフルエンザが疑われる場合、どこに連絡すれば良いですか。

日本国内に新型インフルエンザが発生する可能性が高いと判断した場合、SARSのときと同様に、保健所が連絡窓口になる予定です。発熱外来という専門外来を設置することになっていますので、詳しくは、県の新型インフルエンザ対策を参照してください。むやみに、公共交通機関を使って病院を訪れると、病気が一気に拡大してしまいます。保健所の指示にしたがってください。まずは、冷静な対応が必要です。

記載日:平成20125